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■水彩紙の水張りに挑戦

■そもそもなぜ 水張りが必要なの?

水彩画を描く時に良く耳にするのが、

「水彩紙を水張りするといいよ」

って周りの人達から聞いたり、参考にしている本に書いてあったりしますよね。

なぜ?でしょうか

そもそも水張りとは何でしょうか?

 

■水張りとは

 水彩紙に水を含ませて、パネル等の板に張り込む

 

ことなのですが、なぜ必要なのか…

それは、水彩画を描く時に水を使うからなのです。

紙は水を含むとのびます、またその水が乾燥すると縮みます。

絵を描いている時にその伸び縮みを繰り返すと、絵が仕上がった頃には

紙がかなり波うってしまうのです。そうすると、描きにくいし額に入れても奇麗に収まりません。 

その波うちを防ぐのが水張りです。

紙に水を含ませて、十分にのびた状態で固い板に張り込むと、次に水を含ませても

多少のびますが、乾いたら波うちが少なくピンと綺麗に真っ直ぐな絵なります。

■水張りをやってみましょう

1.まずはパネルを用意します。

今回はF50号のパネルに張り込んでいきます

パネルの表面を雑巾で水拭きします。

雑巾が茶色くなると思います、製造過程で付いた木の粉や砥粉が付いています。ある程度奇麗になるまで拭いてください。そのまま使うとせっかく張った紙の表面にまで茶色のシミが出てくることがあります。

2.紙を用意します。

紙には裏表があります(ないものもあります)。

必要なサイズにカットしておきます

パネルに張り込む場合(今回のパネルは厚みが25mm)

描画サイズ+40mm程度でカットしておきます

水を含ませるとのびますが後で調整するので

最初は必要寸法にカットしておくと良いでしょう。

 

3.霧吹きで水を含ませていきます

紙の裏面に霧吹きで水を含ませていきます

全体にかかるように、水をかけていきます

大胆に素早く、量は多めで。

4.刷毛で水をなじませます。

水彩紙に霧吹きで水をかけても、吸い込まずに表面に水がたまった状態になります。

そこで、柔らかい刷毛で表面をまんべんなくなでます。

そうすることで水が紙に入っていきます。

 

紙の状態を見ながら十分に水を含ませて伸ばします

紙の端が乾きやすいので、こまめに水を吹いてやります。

波うちが無く奇麗に紙がなじんでいれば良い状態だと思います。

紙の質等にもよりますが、5分ほど置いておけば十分にのびると思います。

まだ水張りに慣れていない方は、最初の放置時間は長めに取っておいた方がうまくいきます。10分程度しっかりと水を含ませて紙を伸ばしてあげると良いでしょう。

 

 

5.紙のサイズ確認。

十分にのびた頃を見計らって、紙のサイズを測ります

紙の種類・サイズにもよりますが、紙は決まった方向にのびます。

一方はそんなにサイズは変わっていないと思いますが。

もう一方は約10mmほどのびていると思います。

そこで、のびた分をカットします。

紙が濡れているので破れやすいです。

新しい刃のカッターで刃をねかせて慎重にカットしていきます。

どうしても破れる場合は、はさみで切る方が良いかもしれません。

 

その間も紙はのびたり、端が乾いていきます。

霧吹きで水を吹きながら作業を進めていきます。

パネルの位置を紙に印を付けておくと便利です。

 

 

6.パネルを置きます。

紙の中央にパネルの表面を下にして

ゆっくりと置いていきます

端から順に置いていくと中に空気が入らずにうまく置けます。

7.ローラー等で紙をなじませます。

紙とパネルを慎重に裏返します。

柔らかいローラー等で紙をパネルになじませていきます。

パネルと紙の間に空気が入っている場合は出してやります。

角もきちんと当たりを付けておくと良いです。

 

紙は柔らかくなっています、作業は優しく丁寧に素早くやりましょう。

8.パネルに固定します。

今回はタッカーを用いて止めていきます。

側面に順に打っていくのですが、軽く引っ張りながら皺にならないように注意しながら進めていきます。

あまり強く引っ張ると破れてしまうので注意してください。

9.角は特に慎重に 大事です。

角は浮かないように、つまんで下に引っ張りながら。紙の表面に浮きが無いか優しく触りながらしっかりと角を出してあげるといいと思います。優しく慎重に扱ってください。この時角が浮いた状態だと乾いた時にパネルの角から斜めにシワが入ってしまいます。

破れやすいので注意して、慎重に。

10.最後に水張りテープで止めて完成

タッカーを打ち終えたら、釘が飛び出ていないか確認します

飛び出ている場合は、ハンマーで軽くたたいてください。

最後に水張りテープを側面に貼って完成です。

 

貼り終わった状態で紙面に波うちがあっても大丈夫です。

乾くとなくなります。

四隅の浮き上がり、皺が無ければ奇麗に仕上がるとおもいます。

 

後は、まる一日平らな場所で乾かしてください。

濡れた状態で立てかけて乾かすと、紙に塗布されているサイジング(滲みどめ ドーサ)が移動して紙の質感が変わってしまうことがありますので、注意してください。

※水張テープの保管方法

 水張りテープは、のり面(裏側)に水をつけることで糊が活性化します。

 そのため、空気中の湿度によっても糊が活性化してしまいます。

 湿度の高い場所に置いておくと、使っていなくてもくっついて使えなくなってしまいます。

 保管には十分注意してください。

 まずは、水張りテープをビニール袋に入れ、それを乾燥材の入ったカン(海苔の缶など)に

 入れて保管すれば長持ちすると思います。

 試してみてください。